西へは――僕が出る、
知らせてくれた者らは場所を教えて。
彼らのほか20ほど、後に続いてくれ。
他は、残って盟主殿の合流まで引き続き中央を援護!
東の敵将に気をつけろ、あれは名うての将の差配下だ。
いつまでも同じ動きが通用するわけもない、
直接対峙を避けて、混乱狙いで。
[地理にあかるい平原出の騎兵とはいえ、
既に接敵されて相応の被害は出ている。
残してゆくのも迷いはするが、遊撃を放置するわけにもいかない。
端的な命を放ち、馬首を西に向け疾駆する。
振り返る余裕はないが、足元に視線向ければ
草の影と共に馬影30ほどが確かに、戦の風に揺られて映る。]