―地上:ネロリの花咲く丘の上―
[ そんな天使が地上に舞い降りる事になったのは、
神の命。
管轄しやすい花咲く丘>>35で任を担っていた。
天使はその場で花に恵を齎し
また、人々に神の教えを説いていた。
本来ならば下位の天使が行う仕事を担い、
今日も今日とて花咲く場所で歌を口遊む。
天使の羽根がひらりと舞う。
陽光に照らされ光る金の髪は眩いほどに
透けるような天色の瞳を縁取る睫毛も
同じくして金で綴られていた。
透けるような白磁の肌は赤には程遠く、
純粋を示す白は穢れを知らない。
天使は相変わらず白の手袋に両手を包みながら
ふと、顔を上げた。 ]