―パン屋―
[思惑通り、パン屋へ戻ると己は店の奥へと向かった。治療を行うためだ。]
……っ!
[しかし、己は麻痺毒の所為か一瞬よろけると、かつて“彼女”が「決して開けるな。開けたとしても、中のものは見るな」と告げて寄越した箱を引っかけて落としてしまうのだった。]
……これは、手紙…?
[その中に入っているものを確認すると、己は何を思ったのか彼女の願いを破ってその手紙を開いてしまった。
その内容>>57>>58>>59を目に留めると、己は一瞬何が書いてあるのか理解できなかった。しかし、数秒も経ったならば内容が文字列から意味を持った文字群として昇華され、己の頭の中を侵して行っただろう。]
どう、して……。
[…は虫の息のような声量で呟くと、思い立って店の裏手の窓を破り、彼女の墓前へと向かうのだった。
それは、この村と外界を繋ぐ道の付近にあり、かなりわかり辛い箇所にあるが、己の足跡を追えば辿り着くこともできるだろう。]