こ……まった、なぁ。
泣かせようなんて、思っていなかったんだけど。
[へにゃ、と眉を下げて零したのは、本気の弱り声]
……ぼくの在り方を伝えたのも、隠し事をしたくなかったから、で。
別に、それを押し付けるつもりでもなんでもないんだよ。
特に、きみは、一族の経緯から、思う所も多いだろうと思っていたから……伝えるべきを、歪める事無く伝えたかった。
[でも、と。ここで一度、言葉を切って]
それが、受け取るきみの負担になる事は、考えてもいなかった……ごめんね。
多くを背負い、立つからこそ。
抱えてしまうものがある事は……わかっていたつもりなのに。
情けないなあ……。
[ぽつり、と落ちるのは、ぼやくような自嘲の呟き]