― 日暮れ後/サクソー川 ―
[サクソー川に架かる橋を目指しての行軍。
その目指す先に騎兵の小隊が留まっている>>56と伝達を受け、オクタヴィアスは目を凝らした]
ダフィ兄様!
[橋の北側に居たのはオクタヴィアスが兄と慕う者の姿。
呼ばれた愛称に顔を綻ばせ、直ぐに言い直す様子に一度表情を正した]
出迎えありがとう、ご苦労様。
………ただいま、ダフィ兄様。
[形式通りの言葉に対しこちらも辺境伯嗣子としての言葉を紡いだ後、再び表情を崩す。
少しだけ声が震え、張り詰めていた緊張が解けそうになった。
必死に押さえ込んだのは、この場に率いてきた兵が居るため。
その中にクロイツの姿がないことにダーフィトは気付けるだろう。
一騎討ちの上での死はまだ、心を繋いだ友たるクレステッドにも伝えていない。
まだ自分の中でも整理が出来ておらず、後で話すと先送りにしていた//]