―メイン・サロン―
[随分と長く眠ったような感覚があり、強張った身体をほぐすよう大きく伸び。
その際に胸元からズルッと滑るような感覚が伝わり。
視線を落とす。誰かの制服の上着が掛けられていた。>>27
広げて確認するが、大きさ的に男性のものだということしか分からない。
ダーフィトかなぁ……と、まず浮かんだのは彼。
そして、そういえば、カークの白衣の下も制服だったかなと寝起きで働いていない頭を動かし、記憶を辿った。
うっかりこんな場所で寝てしまった自分を案じてくれたのだろう。
どちらであろうが、その優しい心配りに、笑みが浮かんだ。
(……にしても、この制服……かっこいいよなぁ。)
このときの自分は寝ぼけていた。
……断じて、そう、主張したい。
失礼します……と呟いて、袖に腕を通し羽織ってみたのは……誰にも見られていないと信じたかった。]