―― 現在 / メイン・サロン ――
[スノウに語り掛けていたトールの呟きに、沈んだ思考が引き上げられたのは。>>527
彼はまだ傍にいただろうか。
もし声が届くようなら、こう言っただろう。]
――楽観していい状況、とは言えねえが……
もし“人狼”が大半なら、とっくに連中全員
暴れはじめてるんじゃないか?
だから、確率としては。
まだちゃんと、人間か……自覚してない奴の方が、多い。
そう思う。
[互いに既にひとではない可能性は、否定出来るものではない。
ただ、もし彼が“そう”であったとしても――… 恐らくは自分のことは、人だと思っているのだろうと、疑う余地もなく。
もしその目に疑念や警戒が宿ることがあったとしても、落とさないよう置いたままだったコップの片方を差し出した。]*