―クリーク砦:出立前―
[>>42 ぶんぶんと手を振ったのが良かったか、サシャはとことことクマに近付いてきた。
こうして見やると、本当に小柄な少女だ。
彼女が、クリーク砦の見張りを射抜いただなんて、にわかには信じがたいことである。]
よぉ、サシャ。
見事な弓だったぜ、すげぇよ。
前よりも腕上げたんじゃねェか?
[砕けた口調に、マーティンが腹を立てることはない。
右手を引き、左手を掲げ、弓を引くポーズをして見せる。
唇をゆっくりと動かして、彼女に労いの言葉を伝える。]
その調子で兄者と一緒に、
ここ護ってくれや。
[そして拒まれなければ、その赤毛を撫でようとした。//]