― 回想:王府 シメオンと ― ああ、それは失礼致しました。 お引止めしてしまって申し訳ありませんでした。[>>55 邪険な双眸は、終ぞ解除されることはなかった。その視線の温度が少し冷えたのを悟り、慌てて一礼をし。足止めしてしまった事を詫びる。] 入口まで、お見送り致しましょうか?[そんな風に丁寧な申し出をしたが、断られてしまっただろうか。断られたならばその場で別れたか。受け入れてくれたならば、入口まで彼を見送っただろう。] ――――……また、お逢いしましょう。*