― 五年前・魔法学園都市 ―
……そーろそろ、来るはずなんだけど。
[新入生を迎えるその日。
少年は都市側の湖畔をあちこちうろうろとしていた。
学園に入るには、自身の力で飛ばなくてはならないから、ここで待っていればすぐにわかるだろう、と、そんな安直な発想によるもの。
うろうろしている少年に訝るような視線を向ける者もいたが一切構わず、空を見て、遠い対岸を見て、を繰り返していた時。
名を呼ぶ声>>48が届いた]
……フレイ!
[今までも聞こえてきた声は、それまでより近く感じて。
ああ、近くに来てるんだ、と思いつつ、いつもより弾んだ響きで名を呼んだ。*]