[空気を切り裂くように響いた銃声>>47は、外すことなく、そのまま獣の心臓脇へ>>50。
肺に当たったらしく。
一撃で仕留められなかったと知れば、トドメを刺そうと構えたが。
どうやら意識が戻ったらしく>>52。
駆けていくのを見送り>>55、その場へ崩れるように座り込んだ。
容赦の『よ』の字もないような力で砕かれた腕から、座り込んだ反動で痛みが走りだす。
『死なないでください』ってお願いされちゃったし>>20。
死ぬつもりはねえけど。さすがにこれはマズいかなあ。
大怪我のせいで、動くの辛いし、治療法が思い付くほど、今は頭回らねえし。
“無言で耐える”って選択肢を余儀なくされたから。
必死に耐えてるから、2人の会話は耳に届いてなくて。
呼ばれないなら、自分が出る必要もねえんだろうと、耐える方に集中する。
その場で静かに煙草を取り出して、口に咥える。
俺なりの、誤魔化し方だから。]
……せんせい、とか マーティン、とか
見たら、怒る、かなあ…
[痛いせいで笑いは引き攣ってただろうなあ。
煙草って身体に悪いし、怪我してるときに吸うもんじゃあないだろうけど。
火は点けられないし、勘弁してほしいなあ…。*]