― 吸血時・自室 ―
[>>54運命の時を噴水前で迎え。
眠る弟の頭を、そっと地面に横たえた。
――……気が付けば、既に周囲は取り囲まれており]
クソが! ただでヤラれてたまるか……!
[あれから、己の身を拘束しようとするドールを何体屠った事だろうか。
自らの血と返り血で紅く染まりつつ、
男は自室までの後退を余儀なくされていた]
ッ、はァ―ハ――……
[蹌踉めきながら、踏み入れたその部屋の暗がりから。
輝く金の髪が、眼前へと迫る。
咄嗟に振るった腕は空を切り。
首筋に、痺れるような熱い痛みが襲いかかった]