―――、[出て来た。太陽の色をした美しい指輪。どうしようかというように、指先で少し弄んで、それから左の薬指にもっていく。]…入りそうだな。[小さく呟いて、左手の指輪を全て外して机の上に置く。それから、左手の薬指にそれを通す。][左の薬指に王家の指輪をはめる理由。][それは太陽に生を捧げるという証。][だけど、その指輪はここへ置いて。][ただ、たった一人の人間として。][女神の加護を受ける者として。] [彼女が女神でないことは、わかっているのに。]