[前髪を散らし、眼前を通り抜けていく三日月斧の刃を、見開いた両目で眺めていた。
体すれすれを通り抜ける一撃に、心臓が痛いほどに早鐘を打つ。
しかし――当たらなかった。
両腕を振り上げつつ、急制動により半身となって、振り下ろされる一撃を回避する。
不可能とも思えたそれを、
[緊張の余り引き伸ばされた一瞬から、現実へ意識を戻す。
オズワルドの渾身の一撃を潜り抜け、鎌は未だ手元にある。
両手で握ったそれを、今は目線より下にあるオズワルドの肩目掛け、ただ、振り下ろす*]
――これで、終わりだ!