まず弓兵と負傷者。
自力でロープを掴めない者は誰か背負って下ろしてやってくれ。
弓兵は距離をとったら撤退援護射撃の用意を。
次は歩兵。
下りたら皆を守って森まで移動を開始。
最後が身軽な工兵だ。
走って追いつくぜ。
[人のひしめく城門に突入しきれないと見て北壁に梯子や投げ縄をかけて越えてこようとする敵兵がいる。
そいつらを槍や落石で追い落とす者がいなければ、撤退の完了しないうちに砦は敵で溢れ返ってしまう。
弓兵と歩兵がある程度の距離に離れるまで、その役を工兵が務める。
階段の前には、湯を煮たり投石機を組んだ時の残りの木材を積み上げて、傭兵が容易に越えられないようにする。
これでギリギリまで耐えたら、あとはローブを使って一目散に垂直降下だ。
むろん、カーク自身もそのチームに身を置く。
口で言うほどに楽ではなかろう。
だが、カークの相変わらずの飄々ぶりに感化され、パニックになる者もなく、撤退作戦は進んでゆく。*]