[ 周囲は、戦いの気配に包まれていたが、霧に阻まれその様子の全てを見通すことは出来ない。背後からも悲鳴が響いて来る所を見ると、それなりの数の妖魔が襲ってきているようだ ]怪我人は、一カ所に纏めて周囲を固めろ!飛び道具は注意して使え![ 自らも油断なく身構えながら、公子は、しかし、位置はあまり変えずに指示だけを周囲に届かせようと、声をあげ続ける。その声に惹かれたかのように、羽音らしきものが頭上から聞こえた ]