―昼・森の中―[どれ位歩いただろう。シェイの姿も求めながらだからそれほど小屋から離れたつもりはないが、依然彼の姿はみえないことが重石のように胸にのし掛かる。目を上げれば昨日の嵐のせいで、やや濁った沢が見えた。] 少し、休みましょうか。[靴を脱いで、足を流れに浸す。雪解けの水を含むそれは痛みを伴った。けれど引き上げる気にもならず、水を足に戯れさせながら笛を取り出して、口をつける。森に静かな音が響き渡っただろう。]