[その声に気が付いたのは、未だ幼い頃。
魔法の才に目覚める事無く、首都で実母と暮らしていた頃。
最初は、知らない声が聞こえて、向こうにもこちらの声が届いている事に驚いたのだけれど。
不思議と警戒心はなく、それを受け入れて。
魔法学園に入学する事が決まった時に向けたのは]
フレイも、魔法覚えるなら、こっちに来る?
そしたら、会えるな。
[同じ場所に来るなら、会えるだろう、と。
そんな、単純な期待を込めた言葉。
やがて、彼女も学園への入学が決まったと聞かされて。
それに、じゃあ待ってる、と返したのはごく自然な流れだった]