ー酒場内・隅っこの席ー
うぅ、魔物退治したかった……僕弱過ぎぃ……
[今日が最後の営業だという酒場
その中にある隅っこの席で悲しみのオーラに包まれた青年が1人
なぜ悲しみに包まれているか
理由は簡単、魔王退治どころか魔物退治すら出来なかったからである
自分で言っているようにこの青年はもの凄く弱いのだ、戦闘の実力的な意味で
剣の扱いはまるで駄目、魔法もろくに使えない…良いとこ無しだ
あるのは暗闇を照らす魔法と動物に懐かれる体質と無駄に有り余る勇気と体力だけ
無駄な勇気と体力で1人魔物に戦いを挑んでは返り討ちにあう始末
壁盾でも持って壁役になった方がまだ活躍出来そうだが青年にその発想は無かった模様
ちなみに青年がどの程度弱かったかというと……
魔物の中で最弱とされるものが相手でも苦戦してやっと討伐出来る
と、実に酷い有様であったそうで
もしかしたら青年のあずかり知らぬところである意味有名になっていたりするかもしれない*]