― いつか・ベルサリス学館にて ―[この日も青年は学館の中を早足で歩いていた。既に学生の身分からは離れていたものの、こうして学館に顔を出すのは、珍しいことではない。短い探索の末に目的の人物の背中を見出して、青年は、さらに足を速めた。] 先生! バウマン先生! 折り入ってお話、いえ、お願いがあるのですが、 今、お時間よろしいですか?[背後から声をかけ、隣に並ぶ。]