ごめんくださーい誰かおられませんかー?[洋館の門の前にたたずむ一人の男性。実用一辺倒の肩掛け鞄を下げ、番地をつづったメモを手に来訪を告げている]…お呼び頂いた古本屋の者ですが!古書の鑑定に参りましたー[握ったよれよれの鑑定依頼の手紙にはみみずの断末魔のような文字。読み間違えたとしても何もおかしくないそのメモを何故信じて揺るがないのか]聞こえないのかね?ちょいとお邪魔しますよっ、と。[男は門をよじ登ろうとしている。誰も来なければ勝手に敷地内へ入っていくだろう]