[盛大に溜息をついて頭を掻く。狩人になって、だけどいまだに戦闘に異能を使うことには慣れない。
「あの人」……養い親が聞いたら笑うだろうけれど。養い親の「異能」が只の異能じゃないことも気付いてはいたけれど]
あれと比べちゃダメだってのは解ってるけど、さぁ。
[異能の才を発現させた男に風の使い方を教えたのは養い親だった。本人は気付いていないが口調などが養い親に似ているのは、無意識に目標としていると言うことなのかもしれない。
最後に会いに行ったのは狩人になると伝えに行った時で、男の二つ名を考えたのも養い親だったが。
それに不満げな顔をして見せれば、「わざとだ」としれっと言い放ち]
「まあ、気を引き締めていけ。ミイラ取りがミイラにならねーようにな」
[そう言って送り出そうとするのには、思いっきり舌を出して答えた。
そこまで思いだして、ふっと真面目な表情に変わる。実際、任務中に消息を絶つ狩人も少なからず居るから。
その中には、知っている顔も含まれていたから]