>>-653エレオ
わたくしも貴女が大好きよ、エレオ。
怯えたように陰に隠れていた貴女がわたくしの手を取ってくれた事。可愛らしいお耳を見せて下さった事。とても嬉しかったのですわ。
あれから仲良しのお友達もたくさんできたようで、安心しましたの。ちょっぴり寂しくはありますが……
けれど、わたくしを護りたいと言ってくれた貴女を置いていってしまったのですものね。傍に居てあげられない主人でごめんなさい。
[...はにこりと微笑むと両腕を広げ、そっとエレオノーレを抱きしめた。]
優しいカナリアでいてくれてありがとう、エレオ。
……ふふ。わたくしはヤコブ様のものですが、可愛いカナリアを愛でる事は許してもらえましょう。
今だけは、こうして…。
貴女がわたくしに幸いを下さった巡り石。その石がきっとエレオにも素敵な未来を授けて下さいます。お兄様と、わたくしと、それにトーマス様。貴女を大好きなひとたちの想いが、貴女に幸いを。
もしいつかまた会える事があるのなら、笑顔で会いましょう。ね?約束ですわ。