──回想/公国拠点:戦車到着──
[フレデリカ死亡の報を受けて後方へと足を向けた──直後の事だ。急ぎ足でかけてくる公国兵の向こうから、ばきばきと音を立てて森より砲門の先が姿を見せた。]
どうした! 敵襲が──あったのか?
[雨で行軍が遅れたにしろ、予定よりもいくらか早い到着だった。かけよりながら敵襲の可能性を問う言葉がややも驚きに似た声になるのは、公国陣地の奥深くからの輸送だったからだ。雨の中を夜通しで強行してきたのだろう。泥まみれになりながらクロイツの命により>>6:93、命がけで戦車を届けた補給部隊の兵は寒さに身を震わせながら頷いた。]