王弟閣下は俺に会いたいとの仰せだ。[使者を送り出してから、笑いの名残残したコエを送る。] 誘いを受けてくるから、全軍の指揮は任す。 クレメンス将軍には伝えておくから、あとはうまくやってくれ。[クレメンス将軍は、二人が初陣の時に配属された部隊長で、つまりはそれなりに融通の利く相手だ。初陣では二人揃って功に逸り、突出しすぎた挙句に死ぬかと思うほどの手傷を負って帰ったものだが、傷よりも部隊長の鉄拳の方が痛かったのを覚えている。]