―安置室―
ちょ、お前、いつの間にキスマークなんかつけてやがる?
……サシャ、ヤッたのか?
[“あの夜”という呟きを拾う>>49
さっきの“殺る”とは勿論意味が違うが…>>55
サシャの髪をなでるため、ほんの少し下を向いたであろう、
イェンスの詰襟は高くて、僅かしか見えなかった。
心の奥に幽かに浮かんだ疑念はまだ像を結ばない。
淡い色合い……
それがサシャの髪を飾った物と相似形であるとは、まだ気づかない。
イェンスの応えが得られても得られなくても]
……サシャはお前のことが大好きだったみたいだからな。
[その時は、もし、あの世の旅路の直前に結ばれたのならば、
それもまた幸せか…そんな風に思ったのだ]