― プラメージ王国野営地近く ―
[二人の仲間を連れて拠点に近づくこと暫し。
これ以上進めば篝火の明かりに入る、というところまできてそっと様子を窺う。
どこからか柵の中を覗けないかと様子を見ているその時、大勢の足音が聞こえて慌てて身を潜めた。
拠点の入り口から大勢の兵たちが現れる。
千人隊くらいの規模かなと見ていたら、後から指揮官らしき奴が出てきた。]
(あいつ誰だろ)
[顔を見たって名前が分かるわけじゃないけれど、つい覗きこんでいたら後ろから服を引っ張られた。
どうやら覗くのに夢中になっているうちに、身を乗り出しすぎていたらしい。
ヤバい!と思ったときは時すでに遅く、「誰だ!」という鋭い声が飛んできた。]