― 戦舞台へ ―[やがて姿を見せた男は、主らと共に戦舞台へと向かう。] 随分、お時間を取らせてしまい、申し訳ありません。[抜身のサーベルを手に、金色の獣の背に跨り、大地を駆け抜ける。大きさこそ通常の狼のそれであるが、その速さは、先に巨大化した背に乗せてもらった、ウル達にも決して負けてはいないだろう。辿り着いた頃には、勝負は開始している。チン、と音を立ててサーベルを鞘へと納めると、金色の狼は眠るように瞼をおろし、すぅと姿を消した。]