[ 気持ちはすでに落ち着いていた。
…どうせ聞かれてしまったのなら、
話してしまったのなら、
選ぶべき道は限られているのだから。 ]
それじゃあ、もう一度だけ聞こうか。
ボクの密会していた相手が、ただの――、
『 知り合い 』だと言ったらきみは信じてくれる?
[ つまるところ、
密会を黙していてくれるかどうか?
その答え如何によっては
力では到底叶わない相手だけれど、
不意を突けばどうか…という
黒々とした算段まで内心ではしながら
若芽色の双眸はじっと相手を見つめていた。* ]