[ あんまりと言えばあんまりな返答に、カナンや他の者はどう反応したか。だがやはり一切気にする風もなく、冥狐は呑気に言葉を継いだ ]
何しろ、相手は半分夢幻ていう存在だからねえ、その時々で姿形も変幻自在さ。
...けどまあ、竜種や、龍王の眷属なら気配を掴めるだろうし、お前さん達には迷子防止を兼ねて、これを貸しておいてやるよ。
[ 言うと同時、冥狐の手から数枚の札が飛びそれが中空で青い小さな...蛍のような狐火に変じて、人間達の傍にひとつずつ寄っていく ]
それは魂を導く火だ。お前さん達が望むものへと近付こうとする。人でも場所でも...竜の卵でもな。
後はそうだな...夢幻竜の卵は綺麗なもんだって、そう覚えておきゃあいいだろよ。