─谷底の前─[先頭を行く兄が、抉れた谷底の前で足を止める。告げられた音声>>41に、息を飲んだ] この先に……妖星が……?[こくりと、唾を飲む。耐性のある少年ですら、くらくらと軽く眩暈を覚えるほどの瘴気。並の人間であれば、確かに兄の言うとおり生命活動は難しいだろう。眼前の道。谷の底に続いているであろうそれは曲がりくねっていて、先の見通しはあまり良くない]