[カタリナが何やら楽しげにフリーデルと会話するのを見て、こんな表情ではいけないなと思い直す。
夏至祭が間近に迫った今、浮かない顔をする者は目立つのだ。]
やぁ、重いのにわざわざありがとう、リナ。
…フリーデルさんも、手伝ってもらっちゃって。
[ぎこちなかったかもしれないけど、それでも笑みを浮かべて。]
後は僕が持ちますよ。
ほら、リナも。大丈夫、力仕事は慣れているからね。
良かったら、店で少し休んで行くといいよ。
今から木苺のシフォンを作るから…
[ベンチに置かれたチーズを代わりに持ち上げて、店へと二人を促した。]