旅人 ニコラス

[最後に自分が全く関与しない場所で出た、開発・運営スタッフによる、]

「今回は役職希望が無効だから、プログラムが各参加者の脳をスキャンして、一番適合性の高い役職を配分したはずなのに……」>>1:#1

[という話も、以上の話を踏まえれば分からなくもない。

自分が狼占の眼に選ばれたのは、地球星系のことわざの一種、”窮鼠猫を嚙む”という奴だ。
”相手が弱者であっても、逃げ場のない場所へ下手に追い詰めると、普段は抵抗できない天敵にさえ恐るべき能力で反撃してくるから、徹底的に追い込んではならない”だったのだ。

それだったら守護の手でもありなのでは？　と思わなくもないけど、きっと格闘の知識も経験もないからプログラムが『こいつには無理』と判断したのであろう。
それならまだ、営業で培った話術がある分、狼占の眼がまだましだと。

全ては繋がっていたのだ。*]