さて、それじゃあ……。
[言いつつ、すい、と右手を上に差し上げて]
……世の願い、祈り、渇望を喰らいて力と変えしもの。
……『願いの珠』守り人たる吾に応じ、顕現せよ。
[紡がれる言葉に応じるように、差し上げた手に菫青石の色の光がふわりと落ちる。
落ちたそれは球形を取り、色鮮やかな宝珠を形作った]
……『願いの珠』、想いを糧に力を放て。
これなる紫羅欄花によって絆結ばれしものたちを。
求めるを与える呪をもって言祝ぐこと。
汝が守り人、カサンドラの名において命ずる。
[歌うように唱えられる呪は宝珠を包む菫青石の煌きを増してゆき。
やがて、周囲を照らし出すほどに高まったそれは唐突に弾け飛んで。
ふわり、ひらり。
そんな感じで、紫羅欄花もつ者へと降り注いだ。**]