― 三周目: 再びの始まり ―
[ 20歳のテオドールは、剣一本で1週間を待った。
その年のその日に、アランたちが遠足に来る事を、
テオドールはもう知っていた。 ]
[ でも、
現れた顔触れは前とは少し違っていた。
フランツが居ない。
そして、キアラも居ない。
代わりに、フランツと同い年の若い騎士が居た。
彼がシェルティ……シェットラントという名だと聞いて、
テオドールはためらった末に、フランツについて聞いてみた。
そっけなく知らないと言われた。
当り前だ。フランツは最初からこの時間軸には存在しないのだ。 ]
[ 存在の全てを賭けて、貴方を守った人なのだと。
言いたくて、でも、言えなかった。
言えば、フランツの騎士としての名誉を穢す事になる気がしたのだ。 ]**