人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


魔王 テオドール

― 三周目: 再びの始まり ―

[ 20歳のテオドールは、剣一本で1週間を待った。
 その年のその日に、アランたちが遠足に来る事を、
 テオドールはもう知っていた。 ]

[ でも、
 現れた顔触れは前とは少し違っていた。
 フランツが居ない。
 そして、キアラも居ない。
 代わりに、フランツと同い年の若い騎士が居た。

 彼がシェルティ……シェットラントという名だと聞いて、
 テオドールはためらった末に、フランツについて聞いてみた。
 そっけなく知らないと言われた。
 当り前だ。フランツは最初からこの時間軸には存在しないのだ。 ]

[ 存在の全てを賭けて、貴方を守った人なのだと。
 言いたくて、でも、言えなかった。
 言えば、フランツの騎士としての名誉を穢す事になる気がしたのだ。 ]**

(57) 2014/04/06(Sun) 16:23:17

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