― 死者の世界 ―[末期の痛みの後の苦痛は、それほど長くはなかった。 闇の中へ落ちた意識は、幾許かしてそのかたちを取り戻す] あれ……私……。[身の重さを感じない世界。 確かに刻まれたはずの傷は、既に消えていた。 自分はもう、生きてはいないのだろう。 それだけは確信し] ……オズワルド?[ふと、命を絶たれる瞬間に、一番傍にいた存在の名を呼んだ。 彼は自分と同じ空間に居るのだろうか*]