は?砲台を貸せ?
[ 突然目の前に、妖精さんを連れた青年が飛んで来て、何やらお願いされた。幻覚を疑っても良い所だが、まあ現実だろう。
男は仕方なく、ちらと、艦長に視線を向けた、コエで尋ねるまでもない、面白いからやらせてみろと、楽しげな緑の瞳の輝きが雄弁に促している ]
使い方は?見ていたから判る?そうか。
[ 『ほら、急いでウェル!星司が待ってるんだから!』
「分ってるよ!!」
『方向合ってるの?』
「多分、大体大丈夫っ!星司になら届くよ!」 ]
あの、デカいのの上に届かせたいのか?なら、もう少し角度を上げろ。そう、その位だ。
[ 何を届かせたいのかは知らないが、どうやらそれなりに真剣らしいので微調整をしてやって、後は見守ることにする ]
[ 「ありがとう!ようし、これで、最大出力!」
『撃てーっ!!』
放たれたのは風の砲弾。「飛ばす」ためのエネルギーを艦載砲に頼り、その分送る総量を引き上げた疾風の力が、魔王に対峙する勇者の元へと、一直線に向かっていった>>55* ]