― 平原南 ―[両国の相違については、ひとつ頷いた。知識としては知っていても、実感はない。付け焼刃の兵に国防を任せるなど、不安にならないのかと思うあたりも考え方の相違なのだろうここまでは穏やかさを装っていたが、続く言葉に纏う風を一変させた。] なるほど。 ならば我らも血に報いねばならないな。 この地を得るために流された我らが同胞の血、 安くはないと思い知ることになる。[不動のまま、背後に従う兵の戦気が増す。空気が不意に帯電したかのように震えた。]