登れないなら無理をしなくたっていいのに。
[ もやしっ子。なんて。
失礼な口をきいた覚えがある。
如何にも温室育ちといった様子の
少年が外へ出るのを手伝って、
ついでにローレル自身も街へ出て
しばらく一緒に街の中を探検した後。
元の道を帰る頃には日が暮れて、
初めて会った少年は具合が悪そうで
半分泣きそうになりながら
養父の元へ戻ったらいたく怒られた。
その日初めて会ったその人が
国にとって大事な人だと知ったのは後の話。
言葉も年相応のものだった頃。
それから御転婆と呼ばれるようになるまで
大して時間はかからなかったように思う。* ]