― サロン ―[幾人かが背後を通り過ぎて宴会場に向かう。その中に知人の気配を感じて視線を向けたが、すぐに元に戻した。きっと、今のあれは危険物だ。太陽の気配に薄らと意識を向けたが、強いて反応はしなかった。たまにはあちらから探しに来てくださるといい。せっかくの休暇なのだから、私にだって役得があってもいい。 ───タクマの鼻歌が微かに聞こえてきた時には、思わず腰を浮かせて宴会場を振りかえったけれども。]