[返答と、ふわりと薫る血の薫りに頭がぐらぐらする。廊下は暗いはずなのに、レトの着る軍服が常より赤黒い事に容易に気づけた。>>38それに引き寄せられそうになる自身を引き留めようと拳を握りしめれば、濃厚な血の薫りが鼻腔をくすぐる。それにむしゃぶりつきたくなるのを、痛みをよすがに耐え、] 怪我を、した訳じゃ、ないんだな?[不自然なほどゆっくりと尋ねたがレトは何か言っただろうか?もしレトがさらに言葉を紡ぐならもう少し話しただろうし、風呂に行くと言うなら、気を付けてと見送っただろう。]