[ 人間の生娘そのもの。と、
挑発するような言葉に>>40
相手の胸元へ当てた指先を一際強く立てる。
穢され、天使とすら言えなくなった今
人の娘に準えられるのはまだ、耐えられる
けれど、この姿に馴れたと言われれば―――]
―――っ、馴れるわけないでしょう?
でも、レトは……
[ 自身の知る彼は、闇色の翼をもっていても
紛れもなく、神に仕える仲間であった。
けれど今、視線の先にいる彼は
姿形ばかりではなく、心もまた
私の知るものとは違うように思う。
それが馴れたということなのか
穿つように相手の双眸を覗き込もうとして
ちょうどその瞬間に見えた
みたくもない幻影>>1に、瞳が揺れる]