人狼物語−薔薇の下国

332 【絶望村】貴方と私が乗れない方舟


教会の子 コンスタンツェ

―教会―
[牧師様は、微笑みました。いつものあの、穏やかな牧師様のお顔です。]

「……このことを知らない人が、まだたくさん居る。どれだけの人が従ってくれるか分からないけれど、私はこのことを、村の人達に伝えに行くよ。」

でしたら、私も……。

「コニー。」

[一緒に行こうとして、やんわりと止められてしまいました。この顔で名前を呼ばれてしまうと、私にはもう、何もできなくなるのです。
 人を食べることも、愛しい家族に追い縋ろうとすることも。]

「……大丈夫、いよいよ危なくなったら、私もちゃんとそちらへ向かうよ。」

[駄々っ子をあやすように、牧師様は私を抱きしめ、仰いました。]

「コンスタンツェ、あなたには生きる義務がある。亡くなり、あなたの生命の礎となったご両親の分まで。あなたは、生きることを望まれたのだから。あなたのお母様と、お父様と……そしてこの、私に。
 愛しているよ、コニー。私の愛しい娘。」

[その言葉を最後に、牧師様は、教会をまた出て行かれてしまわれました。]

(57) 2015/05/03(Sun) 21:00:56

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