[結局、得られたのは僅かな情報のみだった。
彼が何を呼び出したのか何を目指したのか、…何を思ったのか。
それらは皆、分からないまま時の向こうへと仕舞い込まれた。
残された事実はただ。
キアラがベリアンの術に殺され、試された挙句に、
隠蔽工作のために不要な道具よろしく捨てられたということだけだ。
程なくして、シェットラントは再び騎士団へと戻った。
彼女に言ったように、立派な騎士となることを目指すために。
そうして同時に、魔術の研究も続けていくこととなる。
願いをかなえるために。
消えたかつての級友を追うために。
いつかこの手で───彼女の敵を討ち果たすために*]