─谷への道─[歩みを再開して進んでいくと、谷底に近づくにつれて、『生命』と言うものを感じなくなっていく。立ち枯れた木々。見える色は――白、黒、灰] ……ひどい。 本当に……その通りですね。[眉を寄せ、思わず声が漏れる。バルタザールの言葉が聞こえ、頷いた>>54。咽せるような、どんよりとした重い空気――これを瘴気というのだろう。耐性のない者はこれに冒され、命を落とすという]