[ 冒険譚とはまた違う旋律。声。
余分な持ち合わせがあるのなら
金貨をと決断するのも難くはない。
残念ながら、
画家の手持ちは然して多くはなから
陽気な調べの余韻が去らないうちに
手持ちの銅貨を入れ物の中へ落としておいた。 ]
……平和過ぎるのも考えもの、と。
貴方を街で見かけるたびに思わずには居られませんね。
[ その折、最前列に陣取るその人に声をかけてみる。
お忍びで街へ出ているのを見るのは多くはないが、
少なくもない。…悪癖と断じてもいいほどには。 ]
また風邪でも患って
私室へ篭る羽目にならなければいいけれど。
[ ちくりと言葉の端に針を混ぜてみる。
昔々の薄弱な様子>>39に覚えがある故に。* ]