こんな拉致までするような相手に、 私たちが何を言ったって無駄ですよ。 どうせ大人なんて、皆、同じなんだから――[この事態を引き起こしたらしき人物に、背の高い青年が喰って掛かるのを見つめながら、小さく独り語ちる。自らの言葉のせいで脳裏に像を結ぶ、父の姿を振り払い] ……いいですよ。私も協力します。[神官長なる人物の協力要請に、応じる言葉と共に、綻ぶような――けれど、決して目の笑っていない笑顔を向ける]