−−…ごめん
[再度の呼びかけに、ゆるりと振り向き。>>44
絞り出すような声で三文字を紡ぐと、よろけながら立ち上がり部屋を出て漸く気づいた、南隣の訃報にいよいよ胸が詰まる。
嘘だ。どうして、まさか。
−−もしかして。
脳裡でリフレインする言葉を拒むように耳を塞ぎ、廊下にしゃがみ込む。潮騒の部屋から出てきたオズワルドもまた沈痛な面持ちだった。>>52
そういえば彼女もファンの一人だったし、知己の仲だったのかもしれない。
あの、日記帳がその手に握られていたことが邪推を確信に変えた。
彼もまた、ローズマリーとその祖母の悲願を託されたのか。]