礼...?
[ 大振りした槍の柄を引き戻したところへ、語りかける声と、流れるような礼の所作に目を細める。>>53
追撃の手を、一瞬なりと止めたのは、その所作に目を奪われただけではなく、彼の言葉が、男の持つ疑問に触れたからだ。 ]
確かに、礼を言われる筋合いはない。
我らは降りかかる火の粉を払い、海賊が「領有」していた、この地を奪い取ることによって、後顧の憂いを除くと同時に、新たな領土を得た。
それだけのことだ。
[ 海賊に領地を占有される事を見逃した時点で、カーマルグはプラメージ王国のものではない、と、断じる言葉。 ]