[応えて、急ぐ、とサシャの目に力が宿る。一瞬だけ、その眼差しに躊躇いが過ったのは、カークの傷を心配してのものだろう。深い傷ではないが、失血のせいか、指先が冷たいくせに斬られた場所が熱い。] せっかくエディに傷薬をもらってんのに、手当してる暇もないね。[軽口で返し、サシャの目の上の傷を見つめる。軟膏は塗ったようだが、包帯も施していない。自分のことは棚にあげて痛々しさを覚える。顔に傷痕が残ったところで彼女に対する好意は変わらないけども。]